紋章官の仕事
紋章官はもともと、紋章制度発足以前のヘラルド (Herald) と呼ばれる軍使あるいは伝令官の役目と軍礼式担当官の役目を持った官吏であった。ヘラルドは各国の国王に直属で仕えたり、自由契約として領主に雇われるなどしていたが、紋章制度が確立されてくると紋章の管理も担当するようになっていった。紋章制度では同一主権領内にまったく同じ紋章が2つ以上存在してはならないという鉄則があったため、各国とも各人の紋章の登録を推進したが、必ずしも進んで登録に訪れる者ばかりとは限らなかった。そのため、仮に君主や領主と関係の悪い勢力であったとしても軍使を攻撃してはならないという決まりがあったことを利用し、ヘラルドに地方の豪族などを訪問させて各地の紋章を調査し、登録を進めさせた。また、ヘラルドは一般の旅行者などと間違われて攻撃されないよう、自分がヘラルドであることが一見して判別できるように、仕える国王や領主などの紋章を大きく描いたタバードと呼ばれる上着を身につけていた。
後にヘラルドは軍使、伝令官の役割を失い、違反紋章や重複紋章の摘発などの紋章調査に関する職務だけが残った。リチャード3世の時代にイングランド紋章院が創設され、紋章の調査、登録、認可、訴訟などの一切の紋章事務を取り扱うようになった。英語では紋章官をも意味するようになったが、もともとの伝令や布告者の意味は廃れてはいないため、現在でも英語圏の新聞紙名としてよく使われている。
紋章官には伝統的に、キング・オブ・アームズ (King of arms) 、ヘラルド・オブ・アームズ (Herald of arms) 、パーシヴァント・オブ・アームズ (Pursuivant of arms) の3つの位がある。任命された役職が終身のものである紋章官は常任紋章官 (officers of arms in ordinary) 、一時的又は定期な任命不である場合は、臨時紋章官 (officers of arms extraordinary) となる。なお、日本語ではキング・オブ・アームズは「紋章院長官」や「紋章院部長」、ヘラルド・オブ・アームズは「中級紋章官」、パーシヴァント・オブ・アームズは「紋章属官」、「紋章官補」などとそれぞれ訳されるが、いずれも定訳ではない。
貴族の家の成立に際してヘラルド又はパーシヴァントを任ずる中世の習慣は、ヨーロッパ諸国、特に公的な紋章の管理又は承認がない国でいまだ一般的である。そのような任命はスコットランドでもまだなされており、4名の私設紋章官が存在する。
『ウィキペディア(Wikipedia)』引用
紋章官って現在でも存在しているんですね。初めて知りました。